不動産相続で税金はいくらかかる?種類や控除制度についても解説

不動産売却

崎浜 雅人

筆者 崎浜 雅人

不動産キャリア20年

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不動産相続で税金はいくらかかる?種類や控除制度についても解説

不動産を相続する際には、物件の価値に応じて、多額の税金が発生する可能性があるため注意が必要です。
相続税や登録免許税など、関係する税の種類や特徴を理解しておくことが円滑な手続きの第一歩となります。
また、控除制度や評価方法を把握しておけば、税負担を抑える対策を講じることも可能です。
本記事では、不動産相続に関わる主な税金や計算方法、節税のポイントについて解説いたします。

不動産を相続するときに発生する税金の種類

不動産を相続するときに発生する税金の種類

不動産の相続にかかる税金は、手続きの段階ごとに複数存在します。
名義変更の際に一度だけ納めるものから、相続財産全体に対してかかるもの、そして所有し続ける限り毎年発生するものまで、その種類はさまざまです。

登録免許税

不動産を相続すると、所有権移転登記に伴い「登録免許税」が課されます。
税額は「固定資産税評価額×0.4%」で、評価額3,000万円なら12万円です。
納付は、登記申請書に収入印紙を貼付しておこないます。
印紙は1万円・2万円など高額券を組み合わせて貼付するのが一般的で、司法書士へ依頼する場合は代理納付も可能です。
電子申請を利用すれば印紙ではなくオンライン納付となり、手数料を抑えられるうえ処理も迅速でしょう。

相続税

相続税の課税額は、遺産総額から基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を差し引いた残額に対して計算されます。
不動産は「相続税評価額」で評価され、実勢価格より低めに設定されるため節税余地があります。
自宅や事業用地には小規模宅地等の特例が利用でき、評価額を最大80%減額できるでしょう。
相続税は累進課税で、課税価格が大きくなるほど税率も高くなるため、評価減を活用して課税価格を下げる効果は非常に大きいです。
配偶者が取得した財産には別途「配偶者の税額軽減」が適用できるため、遺産配分によっては相続税をゼロに抑えられるケースも珍しくありません。
基礎控除を超えない場合でも、名義変更が複雑なときは申告書を提出しておくと、後日の売却時に説明が容易になります。

その他に考慮すべき税務上の注意点

将来売却する場合は譲渡所得税が発生するため、相続時に取得費を把握しておくことが大切です。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。
共有状態になると管理や売却が難しくなるため、相続人間で早めに方針を決めておきましょう。
相続不動産を賃貸物件に出す場合には、固定資産税や所得税の申告も必要になるため、収支シミュレーションをおこない納税資金を確保しておくと安心です。

不動産相続の際に発生する税金の計算法

不動産相続の際に発生する税金の計算法

税金の計算を誤ると、後から追徴課税や過料の対象となるため、正確な知識が不可欠です。
ここでは、登録免許税と相続税の基本的な計算方法を学び、申告漏れのリスクを減らしましょう。

登録免許税

登録免許税は、「固定資産税評価額×0.4%」で計算します。
評価額が2,500万円なら10万円です。
税額は100円未満切り捨てとなるため、実際の納付額は算出結果より僅かに低くなる場合があります。
農地や山林を含む場合でも同じ税率が適用されるため、評価額の確認が計算の第一歩です。

基礎控除額

基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の人数」で計算されます。
相続人が3人なら4,800万円まで非課税となり、この額を超えた分のみが課税対象です。
未成年者控除や障害者控除など、基礎控除以外の軽減策も併用すればさらに課税価格を圧縮できます。
たとえば、遺産総額5,500万円のケースでは、基礎控除4,800万円を差し引き、さらに未成年者控除を適用すれば課税対象額を700万円未満へ減らすことも可能です。

相続税評価額

土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額を基準に算定します。
たとえば、路線価30万円・面積100㎡なら3,000万円です。
不整形地などは、補正率で評価を下げられます。
賃貸物件は借家権割合を控除し、建物評価額×(1−0.3)で課税額を算定します。
ローン残高がある場合は、相続税評価額から債務控除として差し引ける点も押さえておきましょう。
接道義務を満たさない土地や私道負担がある土地は補正率が大きくなるため、専門家に現地調査を依頼すると評価減が認められやすくなります。
土地と建物を合わせた評価額が大きい場合は、区分所有にして一部を賃貸物件することで評価額をさらに下げられる場合もあります。
3つの計算を押さえれば、申告準備は円滑におこなえるでしょう。

不動産相続の税金を控除で抑える

不動産相続の税金を控除で抑える

相続税の節税は、事前の準備と計画が何よりも重要です。
どのような制度があり、ご自身のケースでどれが使えるのかを把握しておくことが、賢い資産承継の第一歩となります。

住宅資金贈与制度

住宅取得資金の贈与を受ける場合、省エネ等住宅は最大1,000万円、それ以外は500万円まで贈与税が非課税となります。
主な要件は、次のとおりです。

●受贈者が18歳以上かつ合計所得2,000万円以下であること
●資金を翌年3月15日までに住宅取得等に充てること
●床面積40㎡以上240㎡以下の住宅であること


これらの要件を満たせば、親から800万円を受けても贈与税はかかりません。
適用期限は、令和8年12月31日までと定められているため、贈与時期を計画的に検討しましょう。
この特例は、暦年贈与の非課税枠110万円と併用できるため、複数年に分ければさらに税負担を抑えられます。
制度を利用すると資金計画に余裕が生まれ、住宅ローンの借り入れ額を抑えられる点もメリットです。

配偶者控除

配偶者が取得する遺産は、「1億6,000万円」または法定相続分相当額のいずれか高い額まで相続税がかかりません。
遺産分割協議書など、必要書類を整えれば納税額を大幅に軽減できます。
ただし、この特例の適用を受けるためには、納税額がゼロになる場合でも、必ず期限内に相続税の申告書を提出しなければなりません。
もし申告を忘れてしまうと、控除が認められず、後に多額の税金が課される可能性があるため、十分な注意が必要です。
次世代への二次相続を見据えて遺産の振り分けを検討すると良いでしょう。
生活費や介護費用として自宅を確保したい場合でも、控除枠内であれば安心して取得できます。
遺言書に配偶者の取得割合を明記しておくと、手続きが円滑になりトラブル防止にもつながります。

相次相続控除

10年以内に連続して相続が発生した場合、前回納付した相続税額から、1年経過ごとに10%ずつ減額された金額を控除できます。
たとえば、父の相続後ちょうど5年で母が亡くなった場合、控除できる金額は父の相続で納めた税額の50%(100% - 10%×5年)に相当する額です。
このように、過去の申告書類は必ず保管しておきましょう。
控除率は経過年数に応じて減っていくため、適用可否を早めに税理士へ相談することをおすすめします。
具体的な控除額は「前回相続税額×控除対象割合×残存控除率」で算出され、資料が揃っていれば計算自体は複雑ではありません。
マイナンバーで税務情報の連携が進んでいるため、控除申請は正確なデータ提出が求められるでしょう。

まとめ

不動産を相続する際には、相続税や登録免許税など複数の税負担が生じるため、事前の準備が不可欠です。
課税評価や控除制度の仕組みを理解すれば、納税額の軽減や負担の最適化を図ることが可能です。
配偶者の税額軽減や相次相続控除といった制度を活用し、安心して相続手続きを進められる環境を整えましょう。

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